- 1 Norton「 Manx R」とは?
- 2 まずNortonとは? いまはTVS傘下で再建中の英国ブランド
- 3 Manx Rは新生ノートンのフラッグシップスーパーバイク
- 4 エンジンは1,200cc・72度V4。206hpと130Nm!
- 5 スペック詳細表
- 6 グレードは4種類。標準、Apex、Signature、First Edition
- 7 派手な羽根なしの英国デザイン
- 8 電子制御もかなり豪華。8インチTFTと6軸IMUを搭載
- 9 ライバルは⋯Ducati Panigale V4、BMW M1000RR、Aprilia RSV4あたり?
- 10 日本導入はある? 現時点では未確認だが可能性はある
- 11 まとめ
Norton「 Manx R」とは?
TVS傘下で再始動した新生ノートンから、いよいよ本気のフラッグシップモデルが出てきましたね。
その中心というか特別なモデルとして、フラッグシップモデルになるのが、Norton Manx Rです。

簡単なエンジンスペックとしては、1,200ccの72度V4エンジン、最高出力は206hp、最大トルクは130Nm。
しかも、単なるサーキット専用マシンではなく、ノートンは「現実の道で気持ちよく走れるスーパーバイク」として作り込んでいます。
イギリスで発表があったものをまとめてみました。
まずNortonとは? いまはTVS傘下で再建中の英国ブランド
Norton Motorcyclesは、1898年にJames Lansdowne Pa Nortonによって創業された英国の名門バイクブランドです。
初期は自転車・二輪車向けの部品供給から始まり、1902年には最初のモーターサイクル「Energette」を生産。
その後、マン島TTなどのレースで実績を重ね、英国スポーツバイクの象徴的な存在になっていきました。
ただし、ノートンは長い歴史の中で何度も経営難や所有者変更を経験しています。
近年の大きな転機は2020年、インドの大手二輪メーカーであるTVS Motor Companyが、経営破綻状態にあったNortonを買収しました。
TVSはNortonを単なる懐古ブランドとして残すのではなく、英国ソリハルの新拠点、研究開発、品質管理、グローバル販売網を含めて再建しています。
つまりManx Rは、「昔のノートンが帰ってきた」というより、TVSの資本と量産ノウハウを背景にした新生ノートンの本気モデルと見たほうが分かりやすいです。
Manx Rは新生ノートンのフラッグシップスーパーバイク
Manx Rは新生ノートンの中でも一番上に置かれるフルカウルの本気スーパースポーツバイクです。
公式には「The Future of Modern Superbikes」と表現されており、ブランド復活を象徴するモデルとして扱われています。
名前の「Manx」は、ノートンの歴史と非常に深い関係があります。
Manx Nortonはマン島TTで活躍した伝説的なレーシングマシンで、ノートンのレースイメージを作った重要な名前です。
その名称を現代の1,200cc V4スーパーバイクに使っている時点で、ノートン側の気合いはかなり入ったモデルといえますね。
ただ、今回のManx Rは単なるクラシック復刻ではありません。
見た目はかなり現代的で、ウイングレットを大きく張り出す最近のスーパーバイクとは違い、面をきれいに見せるクリーンなデザインになっています。
英国車(イギリスデザイン)らしい上品さと、V4スーパーバイクらしい迫力を両立させようとしている印象です。
エンジンは1,200cc・72度V4。206hpと130Nm!
Manx Rの中心は、新開発の1,200cc・72度V型4気筒エンジンです。

最高出力は206hp/11,500rpm、最大トルクは130Nm/9,000rpmと公表されています。
ここで面白いのは、ノートンが単に最高回転まで回して馬力を稼ぐ方向ではなく、実際にライダーが使う回転域でのトルクを重視している点です。
公式資料でも、10,000rpm以下で強いトルクを出すことが重要な目標だったと説明されています。
つまり、数字だけを見るとドゥカティ・パニガーレV4やBMW M1000RRのような超高性能モデルと並ぶ世界ですが、Manx Rは「サーキットで一発のタイムを削るだけ」ではなく、公道でも扱いやすいV4を狙っているように見えます。
スペック詳細表
| 項目 | Norton Manx R |
|---|---|
| ブランド | Norton Motorcycles |
| 現オーナー | TVS Motor Company |
| エンジン形式 | 水冷72度V型4気筒 1,200cc |
| ボア×ストローク | 82mm × 56.8mm |
| 圧縮比 | 14:1 |
| 最高出力 | 206hp / 153.6kW @ 11,500rpm |
| 最大トルク | 130Nm @ 9,000rpm |
| トランスミッション | 6速、上下対応クイックシフター |
| クラッチ | アシスト&スリッパー式湿式多板 |
| 全長(mm) | - |
| 全幅(mm) | - |
| 全高(mm) | - |
| ホイールベース(mm) | 1,435mm |
| シート高(mm) | 840mm |
| 最低地上高(mm) | 133mm |
| 前ホイールサイズ(in) | 17 in × 3.50 |
| 後ホイールサイズ(in) | 17 in × 6.00 |
| 前タイヤサイズ | 120/70 ZR17 |
| 後タイヤサイズ | 200/55 ZR17 |
| 燃料タンク容量 | 14.5ℓ |
| 車両重量 | 210kg(Wet weight no fuel)/燃料約9割時の推計:約220kg |
| 燃料種別 | ガソリン。オクタン価指定は主要公開資料では未確認 |
| フロントブレーキ | 320mmダブルディスク、Brembo Hypure 4ピストン、コーナリングABS |
| リアブレーキ | 245mmディスク、2ピストン、コーナリングABS |
※燃料約9割時の推計重量は、タンク容量14.5ℓ × 90% × ガソリン密度0.75kg/ℓで、約9.8kgを加算して計算しています。
グレードは4種類。標準、Apex、Signature、First Edition
Manx Rは、英国向け情報では4グレード構成です。ベースモデル、Apex、Signature、First Editionの順に装備が豪華になっていきます。
ベースモデルは鋳造アルミホイールと手動調整式Marzocchiサスペンション。
ApexになるとOZ Racingの鍛造アルミホイールと電子制御セミアクティブサスペンションが入ります。
さらにSignatureとFirst EditionではRotoboxのカーボンホイール、カーボン外装などが組み合わされ、かなり高級仕様になります。
| グレード | 英国価格 | 日本円目安 | サスペンション | ホイール | 重量 | 燃料約9割時の推計重量 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Manx R | £20,250 | 約385万円 | Marzocchi 手動調整 | 鋳造アルミ | 210kg(燃料なし) | 約220kg | 基本仕様。2人乗りシート構成 |
| Manx R Apex | £24,750 | 約470万円 | Marzocchi 電子制御セミアクティブ | OZ Racing 鍛造アルミ | 207kg(燃料なし) | 約217kg | 装備と価格のバランスがよさそうな上位仕様 |
| Manx R Signature | £38,750 | 約736万円 | Marzocchi 電子制御セミアクティブ | Rotobox カーボン | 203kg(燃料なし) | 約213kg | カーボン外装、単座仕様、高級装備 |
| Manx R First Edition | 未公表 | - | Marzocchi 電子制御セミアクティブ | Rotobox カーボン | 201kg(燃料なし) | 約211kg | 150台限定、専用カラー、チタン部品、番号入りトップヨーク |
※日本円目安は1ポンド=190円で単純換算しています。
日本導入時は為替、輸送費、税金、登録費用、正規輸入体制によって大きく変わる可能性があります。
派手な羽根なしの英国デザイン
最近のスーパーバイクは、空力ウイングを大きく付けた攻撃的なデザインが主流です。
もちろんそれは性能面では意味がありますが、好き嫌いが分かれやすい部分でもあります。
Manx Rはそこに対して少し違う方向から来ています。
外装は流麗でぬるっとした感じもあります。余計な部品を貼り付けた感じが少なく、かなりデザインは攻めてますよね。なのにかっこええ。
ノートンは「reductive design」という言葉を使っており、簡単に言えば「削ぎ落とした上質さ」を狙っているように見えます。
高級時計のように機械部分を見せる発想も入っていて、エンジン、フレーム、スイングアーム、削り出しパーツをデザインの一部として見せています。
このあたりは、イタリアンスーパーバイクとも日本車とも違う、英国ラグジュアリースポーツらしい見せ方です。
電子制御もかなり豪華。8インチTFTと6軸IMUを搭載
装備面もかなり現代的です。
メーターは8インチのフルカラータッチスクリーンTFTで、BluetoothとWi-Fi接続、ナビゲーション、音楽・通話操作、GoProコントロール、OTAアップデート、Norton Riderアプリ連携などに対応しています。
さらに6軸IMUを使った電子制御も搭載されています。
トラクション系、ウイリー制御、リアリフト制御、スライド制御、コーナリングABS、電子コンバインドブレーキなど、200馬力級のスーパーバイクとして必要な制御はかなり揃っています。
ライディングモードはRain、Road、Sport、Track 1、Track 2。
公道からサーキットまで幅広く使う前提の構成です。
ライバルは⋯Ducati Panigale V4、BMW M1000RR、Aprilia RSV4あたり?
Manx Rのライバルを考えるなら、Ducati Panigale V4、BMW M1000RR、Aprilia RSV4 Factoryあたりが近いです。
価格帯やブランドの希少性まで考えると、単純なスペック勝負というより「所有する満足感」まで含めたプレミアムスーパーバイク市場で戦うモデルになります。
馬力だけなら、現代のトップスーパーバイクの中では突出しているわけではありません。
ですが、1,200cc V4で130Nmというトルク、ノートンというブランド性、TVSによる再建後初期の重要モデルという背景を考えると、かなり注目度は高いです。
特に面白いのは、ベースグレードの英国価格です。£20,250という価格は、200馬力級V4スーパーバイクとしてはかなり戦略的に見えます。
一方で、Signatureまで行くと一気に高級車価格になるので、装備差と価格差をどう見るかがポイントになりそうです。
日本導入はある? 現時点では未確認だが可能性はある
現時点で、日本での正式発売、価格、導入時期は確認できません。
ただし、NortonはTVS傘下でグローバル展開を進める方針を示しており、英国、米国、インド、欧州などの販売網拡大を進めています。
さらに新生ノートンの4モデルは、単なる英国ローカル向けではなく、世界市場を意識したラインナップです。
日本導入があるとすれば、最初はかなり限定的なプレミアム輸入車扱いになる可能性が高いです。
価格は英国価格の単純換算より高くなると見たほうが自然で、ベースグレードでも300〜400万円台から、上位仕様ではかなり高額になるかもしれません。
まとめ
Norton Manx Rは、単なる新型スーパーバイクではなく、TVS傘下で復活するノートンが「今の技術でどこまでやれるか」を示す名刺代わりの1台です。

1,200cc V4、206hp、130Nm、Brembo Hypure、Marzocchiサスペンション、8インチTFT、6軸IMU、カーボンホイール仕様まで用意するグレード展開。
スペックだけでもかなり本気ですが、それ以上に「ノートンをもう一度プレミアムブランドとして成立させる」というTVS側の狙いが見えるモデルです。
日本で気軽に買えるバイクではなさそうですが、もし導入されれば、ドゥカティやBMWとは違う『英国V4スーパーバイク』として、かなり濃い存在感を放ちそうですねえ〜。
個人的には、ベースグレードのManx Rよりも、Apexが一番気になります。
電子制御セミアクティブサスと鍛造ホイールが入って、価格もまだぎりぎりこのSSクラスでは現実的な範囲に収まってるからです。日本導入はおいておいて、、、
もちろん、買えるかどうかは別として、こういうバイクが出てくるだけで新生ノートンの今後がかなり楽しみになりますね!
個人的にはもう少し排気量落とした、小排気量スポーツとかほしいのですが⋯⋯