2025年モデル CFMOTO「675SR-R」とは?
・2024年7月に行われた「CFMOTO day 2024」において新製品が発表されていましたね。その中で最も人気?(待望?)されていたモデルとして「675SR-R」があります。
・なぜこの「675SR-R」が中国(欧州でも)話題だったかというと、みんな大好きフルカウルスポーツであり、エンジンがバイクブランド的にはまだまだ少ない領域の「3気筒エンジン」だったからですね。
・「3気筒エンジン」は近年、2気筒と4気筒のいい所どりといった、大衆受けも良くスポーツからツーリングまで使いやすいエンジンとして有名になってきています。
・国内メーカーではYAMAHAのMT09やXSR900シリーズ、イタリアではMVアグスタのF3シリーズ、イギリスではTriumph(トライアンフ)のストリートトリプルやスピードトリプルシリーズなど、各国で使われています。
・3気筒における昔からの伝統やレース実績を考えるとこの領域の一番はMVアグスタでしょうか。公道モデルとして一躍話題となり、ファンが増えたのはTriumphのDaytona675のおかげですよね。
・日本ではほぼ話題になっていませんでしたが、ベネリの3気筒もありましたよね。2000年ごろのTornado900(全世界で150台、日本での入庫台数は5台らしいですが)
・近年(2013年~くらいから)ここにYAMAHAがMT09を引き連れて参戦した感じでしたね。
・大型クラスのバイクに関して、中国のCFMOTOはKTMと提携していることもあってKTMエンジンを使うことが多いのですが、「今なぜKTMが持っていない3気筒か?」というと、いろいろと理由はありそうです。
なぜここに来て3気筒のミドルクラスのフルカウル?
・初めに、ここからは勝手な憶測が含まれるため、情報ソースがあるわけではないことをお断りしておきます。3気筒なので3つの理由を考えてみました。
①参入している「Moto2」に使用されているエンジン(Triumphの3気筒エンジン)の知見が蓄積されてきたから |
②KTM(PIERERグループ)のMVアグスタ買収により、MVアグスタの伝統3気筒エンジンの情報が得られたから |
③TriumphやMVアグスタ(+YAMAHAも)が育ててきた3気筒エンジンの市場ニーズがより高まってきていたから |
・この辺りが複合的に重なり合っているのかなと個人的には思っています。
・元々2010年代に販売していたDaytona675系の後継復活の期待値が高かったにも関わらず、2024年の新型Daytona660がレースではなくエントリーユースモデル(いわゆる手を出しやすい価格の廉価モデル)でしたよね。
・メーカーとしてはある意味素晴らしい判断だと思います。しかし、Moto2にエンジン支給しているTriumphだからこそ、もっとレーシーなモデルを期待していた市場ニーズはあったとも思います。
・そんな中、CFMOTOの「675SR-R」の発表となり、そのルックスやスペックがかなり高いことが判明し、中国のメディアを中心に盛り上がっているようですね。
・Triumphもおそらく今後の市場ニーズをみつつ、「Daytona660 Moto2 edition」のようなバイクや2020年ごろ限定で発売された「DAYTONA Moto2 765リミテッドエディション」みたいな、ぎり庶民でも届く値段設定で、SSモデルを出してくれたら嬉しいですね。
画像元:https://www.triumphmotorcycles.jp/bikes/roadsters/daytona-moto2-765/limited-edition
CFMOTO 675SR-R のエンジンや比較
・CFMOTO 675SR-Rのエンジンの画像はCFMOTOの公式Facebookで発表されていましたね。
・現行モデルの「450SR」で使用されていた2 気筒エンジンと同じ 72mm ボアと 55.2mm ストロークの3 つ目のシリンダーを追加し、3気筒エンジンとしたものですね。
画像元:https://cfmoto-motorcycle.eu/en/motorcycles/sport-racing/450sr
・675SR-Rの3気筒エンジンは、軽量化をかなり頑張ったようで、3気筒ライバルのTriumph「Daytona600」のエンジンよりも軽いとのこと。そのため、全体の車両重量もライバル3気筒バイクたちよりも軽くなっています
*CFMOTO 675SR-Rの車重は195kg、TriumphのDaytona660の車重は202kg
・今後YAMAHAのYZEF-R9が出ると思うので、やや排気量は上がりますが、車重や馬力等含めて、ミドルクラス3気筒スポーツはライバル勢が増えて面白い戦いになりそうですね。
情報元:https://www.facebook.com/CFMOTOOFFICIAL
・この3気筒エンジンは前述の通りボア72mm。トライアンフの3気筒エンジンのボア73mm、MVアグスタのボア79mmと比べるとやや狭いとのこと。
675SR-R のスペックやライバル車種のまとめ
・CFMOTO 675SR-Rのスペックとしては…
→全長:約2020mm、ホイールベース:約1400㎜、車両重量:約194.5kg(*乾燥:175kg)、馬力:約96PS、3気筒、PWR:2.02kg/PS)
・全長とホイールベースから見た各メーカーの対抗(ライバル)としては…
①HONDA CBR600RR(全長:2030mm、ホイールベース:1370mm、車両重量:193kg、馬力:121PS、4気筒、PWR:1.59kg/PS)
②HONDA CBR650R(全長:2120mm、ホイールベース:1450mm、車両重量:211kg、馬力:95PS、4気筒、PWR:2.22kg/PS)
③Triumph Daytona660(全長:2050mm、ホイールベース:1425mm、車両重量:202kg、馬力:95PS、3気筒、PWR:2.12kg/PS)
④MVアグスタ F3(全長:2050mm、ホイールベース:1425mm、当サイト推定:約191㎏、馬力:149PS、3気筒、PWR:1.28kg/PS)
⑤YAMAHA YZF-R7(全長:2070mm、ホイールベース:1395mm、車両重量:188kg、馬力:73PS、2気筒、PWR:2.57kg/PS)
⑥aprilia RS660(全長:1995mm、ホイールベース:1370mm、車両重量:183kg、馬力:100PS、2気筒、PWR:1.83kg/PS)
*PWR(パワーウェイトレシオ):DUCATI スーパーレッジェーラV4:「0.812kg/PS」から判断しても、数値が軽ければ軽いほどレース寄りとも言えます。
・馬力やPWRだけみると圧倒的にMVアグスタのF3RRがやばいですね。ただ、欧州の馬力規制(100馬力)があるため、メーカーとしては100以内に抑えてくることが多いですよね。
・CFMOTO 675SR-Rの馬力設定(約96PS)からわかることは、がちがちのレーサーではなく、あくまでスポーツライク寄りのバイクで、かつ欧州市場含めて狙っている馬力なので、ますます競争が激化しそうです。