【期待の新型3気筒】「V3R」発売の行方と今わかっていること【HONDA 2026】

HONDA 2026年型「V3R」について

・「V3R」については2024年11月、イタリア・ミラノで開催された「EICMA 2024」において、新開発の「V3」エンジンコンセプトを世界初公開しましたね。

・このエンジンは「水冷75度 V型3気筒」で、電動コンプレッサー(E-Compressor)を組み合わせるなど、新時代の幕開け的なモデルで期待されていますよね。

・公式リリースによるといかなる形式のインタークーラーも不要」とされ、質量集中やレイアウト自由度の向上を狙った構造になっています。

・これに続き、2025年3月には米国特許商標庁において「V3R」および「V3R E-Compressor」という名称が商標出願されました。日本でも商標登録済みです。

・さらに2025年8月には公式ティーザー動画(下記)が公開され、V3エンジンの作動音やテストベンチ上での稼働映像が各メディアに取り上げられましたね。

・HONDAは「V3R」を「次世代スポーツモデル」と開発しており、各メディアではミドルクラスといわれていますが、今のところ公式発表はないですよね。

・この新開発E-Compressorを備えたV型3気筒は、これまでのホンダが得意としていた「直列4気筒や2気筒」とは異なる独自のキャラクターになっていると思われます。

・商標登録では「V3」だけではなく、「R」が付いていることからも、CB「R」シリーズのようにフルカウルモデルから始まりそうな感じですよね。

・もちろんこのエンジンでネイキッドモデルを作らないわけはないと思うので、今後のモーターショー系(イタリアのEICMAや中国のCIMA Motorなど)において、コンセプトモデルから市販モデル公開へ向けて、発展していくでしょうね。

・「V3R」は、2024年に公開された新型V3エンジンコンセプト、そして2025年の商標出願状況…

・少し前のティーザー映像公開と、着々と市販モデル発表に向けて進んでいます。

・2026年度は、待望の「CB1000F/CB1000F SE」、電動モデル(大型)「WN7」と、目白押しなので、V3Rの市販モデルは2026年度発表、2027年モデルといった感じでしょうかね。期待して待ちたいと思います。

New  HONDA「V3エンジン」とは?

・ポイントは、「75度V型」、「3気筒」、「電動コンプレッサー採用の過給能力といったところでしょうか。

・2025年3月には、米国でも「V3R」および「V3R E-Compressor」という名称の商標が出願され、市販化に向けた動きが具体的に進んでいることが示されています。。

・展示写真からは過給機が遠心式コンプレッサの形状を有していると解釈されており、エンジン回転とは独立した駆動方式である点が確認できますね。

・さらに2025年8月にはHONDAが公式ティーザー動画を公開し、V3エンジンの始動音やE-Compressorの作動音が披露され、開発の進捗が視覚・聴覚的にも示されました。すごい良い音でしたね。

新開発「E-Compressor」:電動コンプレッサー とは?

・今回の「E-Compressor」を備えるV3エンジンの基本的な吸気経路は、エアクリーナから取り込まれた空気を電動遠心コンプレッサで圧縮し、その後スロットルや吸気バルブを経て各気筒へ導くというシンプルなものです。

・従来の機械式過給機と異なり、エンジン回転に依存せず独立してコンプレッサを制御できるため、エンジンが低回転でも加圧が可能です。

・制御方式はライダーの要求トルクを基準に、エンジン回転数、スロットル開度、負荷などを総合的に演算して目標マニホールド圧を決定します。その結果に基づき、インバータがモーターの回転数を制御する仕組みですね。

・四輪の電動過給機事例では過渡応答時間が数百ミリ秒程度とされていますが、二輪のV3でも同様に高速な応答性が狙われていると思われます。

・今回のHONDAの「E-Compressor」もインタークーラーを持たない設計であるため、過給圧は吸気温度を考慮し、熱的な安全マージンを確保しながら制御されているようです。

・四輪と違って、二輪ではインタークーラーがないことも多いです。どうしてもスペースや重量の制約が厳しく、ブースト圧を抑えたり、短時間だけ過給する運用で成立させる設計が珍しくはないですよね。現に、KawasakiのH2シリーズもインタークーラーはないので。

・また、数kW級の電力を必要とすると推測され、発電機とバッテリーの双方を利用して電力を供給・平準化する方式が採用されるとみられます。

・インタークーラーなしということは、過給時に熱処理をしなくても良いレベルでうまいこと適応させているってことだと思います。

・空気は断熱圧縮の性質によって圧縮すると必ず温度が上がりますが、過給に用いる吸気の温度上昇は、過給圧の設定や制御、冷却系の工夫によって管理することができる、ということです。

・公式情報などをみると、つまりは必要な瞬間にだけ電動で素早く過給することで、インタークーラーとその配管関係が不要なので、重量面(軽量化・コンパクト)での有利になり、エンジン回りのレイアウトとしても自由度が上がって、マスの集中化にもつながっているということですね。

テイザー情報 まとめ (HONDA公式youtubeより)

・デザイン

・ティザーでは複数のデザインスケッチの写真シーンがありましたね。

・これすべてV3Rではなく、これまでのスケッチ案やCBRのとかも混ざっていると思います。

・テイザーではV3Rの場所ではなかったのですが、サイドカウル形状が異なる試作案が複数見え、ヘッドライト周りやスクリーンの角度が異なるパターンや「SP MONO A-2」と記されたデザインスケッチが見えます。

・SP? スペシャル? Sport?  「MONO」=単?(V3Rは3気筒なので、フレームの方? モノコック?)

・その中に、少し注目するとエンジンを取り囲むトラス構造(トレリス)らしきフレームが描かれているものがありました。

・V3Rのフレーム構造はこの上記画像のように、エンジン上部でクロスしているのが特徴ですよね。

・↑のフレーム構造をみると、似ているスケッチが…

・クロスしているのがわかりますかね。

・ただ、あえて本チャンのV3R採用スケッチを残す(ティザー動画内で見せる)とも思えないので、おそらく没スケッチかなと思っています。

・これに近い案が採用されていたとすると、V3Rは2眼ヘッドライトで、アプリリアのような鋭角で折れ曲がるタイプのLEDヘッドライトのラインになるかもしれませんね。

引用元:https://www.aprilia.com/jp_JA/models/rs-660/

・アプリリアのRSシリーズのヘッドライトはすごく好きなので、採用されないかなーと…期待ですね!

・また、この画像ではライダーが乗っているので、その姿勢からも明らかにSSモデルが意識されていることがわかりますね。

・複数のデザイン案が並んでいることから、V3エンジンを搭載する「V3R」だけでなく、派生モデル(ネイキッド/スポーツツアラー)も意図している可能性があります(というかH2シリーズのような展開を期待しています)

・以下は、個人的に生成したCGです。

予想生成CG

丸目系予想生成CG

 

「V3R」の予想スペック  *現在発表のティザーより推定

↑ティザー(youtube)より

・この画像からわかる現時点での仮モデル「V3R(仮)」のスペックをまとめてみると——

※Honda公式に未公表のため、あくまで現時点での予測(2025年9月17日現在)

spec  項目 内容 (予測値) その他
形式 水冷 75°V型3気筒+電動コンプレッサ EICMA 2024で正式に発表。電動SC構造でミドル~リッタークラスの予想
最高出力(予測) 210–300 PS トルク換算(120 N·m@17,000 rpm ≈ 291 PS)
最高出力回転数(予測) 14,500–17,000 rpm ティーザー画像で 17,000 rpm 表示確認、高回転指向
最大トルク(予測) 140–150 N·m 過給1000cc級(例:H2で141 N·m)との比較、ICレス設計で上限150 N·m前後が妥当
最大トルク回転数(予測) 9,500–11,500 rpm 一般的なスポーツ量産の過給設定範囲
瞬間トルク(17,000 rpm時) 100–130 N·m(推定 高回転ではトルクやや低下と予測、147 N·m維持は現実的でない

「V3RのEコンプレッサー」と「H2系のスーパーチャージャー」の違いは?

・現在の王者Kawasaki「H2シリーズ」との比較をしてみます。

・KawasakiのH2シリーズは、機械式スーパーチャージャーです。「Kawasaki Ninja H2」に搭載されているスーパーチャージャーは遠心式であり、エンジン回転と機械的に直結しています。

・そのため、プラネタリギヤを介して固定比で高回転に増速する仕組みを採用しており、特に高回転域で大きな過給効果を発揮します。ただし、常時エンジンから動力を得るため機械的損失を伴い、低回転では過給効果が限定的とされています。

・一方、今回のV3Rの「E-Compressor」はその名の通り、「電動駆動方式」を採用しています。このため、エンジン回転に依存せず必要なときに過給を行うことができ、低回転域からのトルク強化に大きな利点を持つ構成になります。さらに、電動化により応答が速く、従来型過給機に見られる「ラグ」を抑制できる点が特徴となります。

「V3R」(予測スペック)と「H2シリーズ」の比較

モデル 過給方式 最高出力(PS) 発生rpm 最大トルク(N·m) 発生rpm その他
Honda V3R 電動スーパーチャージャ

(E-Compressor)

210–300 14,500–17,000 rpm 140–150 9,500–11,500 rpm インタークーラーなし。17,000rpmフレーム確認

(上記ティザー画像より)

数値は予測レンジ。

Ninja H2R 機械式SC(遠心)固定増速 321(326*) 14,000 165 12,500 *ラムエア時。サーキット専用。
Ninja H2 機械式SC(遠心)固定増速 231(243*) 11,500 141 11,000 *ラムエア時。公道仕様。
Ninja H2 SX 機械式SC(遠心)固定増速 200(210*) 11,000 137 9,500 *ラムエア時。ツアラー向け特性。
Z H2 機械式SC(遠心)固定増速 200(210*) 11,000 137 8,500 *ラムエア時。ネイキッド向け特性。

・こうやってみると、H2が化け物急ですね、やはり。ただ、V3RはV型3気筒なのでそこが面白いですよね。

・SUZUKIも例のミドルクラスのターボなんで開発やめちゃったんだろうなぁ。

日本で買える「3気筒」のライバルたち

<Yamaha>

・MT-09 / MT-09 SP(ネイキッド)

・XSR900 GP(昔のレーサーレプリカ風フルカウルスポーツ)

・TRACER 9 GT(スポーツツアラー)

・NIKEN GT(LMWスポーツツアラー) *最近販売終了

<Triumph>

・Trident 660(ロードスター・丸目ネイキッド)

・Daytona 660(フルカウルスポーツ)

・Tiger Sport 660(アドベンチャースポーツ、前後17インチ)

・Street Triple 765(R/RS)(ロードスター・ストファイ系)

・Tiger 900(GT/GT Pro/Rally Pro)

・Tiger 1200(GT/GT Pro/GT Explorer/Rally Pro/Rally Explorer)(1160cc)

・Speed Triple 1200 RS / RR /RX(1160cc)

・Rocket 3(Storm R / Storm GT 等)(2458cc)

<MV Agusta>

・Superveloce 800 / Superveloce S(レトロ系フルカウルスポーツ)

・F3 800(R/RR/RC/Competizione 等)(スーパースポーツ)

・Dragster(R / RR SCS / RC SCS / America)(ネイキッド ストファイ系)

・Brutale 800系(R / RR)(ネイキッド ストファイ系)

・Turismo Veloce(R / Lusso SCS / RC SCS)(スポーツツアラー 前後17インチ)

・Enduro Veloce(950)(アドベンチャー フロント21インチ)

 

<CFMOTO>

・675SR-R/675SS(フルカウルスポーツ)

といったところでしょうか。漏れがあれば追記していきます。

参考及び引用元など

・Honda公式リリース
https://global.honda/en/newsroom/news/2024/c241105eng.html

・Honda公式youtube(ティザー)

https://www.youtube.com/watch?v=lZRu5nCBXOQ

・商標出願
https://uspto.report/TM/98515638

・Webikeニュース
https://japan.webike.net/moto_news/latest-news/20250403-scoop-the-anticipation-builds-honda-v3-electric-turbo-insights

・V1moto
https://www.v1moto.com/blog/honda-v3r-e-compressor-update–93695

・Cycle World
https://www.cycleworld.com/motorcycle-news/honda-v3r-electric-supercharger-patent

・Australian Motorcycle News
https://amcn.com.au/editorial/honda-v3r-teased-in-new-video

・Road & Track
https://www.roadandtrack.com/news/a62421037/honda-v3-electric-supercharger

・MotorCycleNews (MCN)
https://www.motorcyclenews.com/news/2025/august/honda-v3-teaser

・LivingWithGravity
https://livingwithgravity.com/honda-v3r-electric-supercharger-unleashes-new-motorcycle-power

・Kawasaki Ninja H2
https://www.kawasaki-cp.khi.co.jp/mc/kinfo/ENGINEERING/engine_supercharger_e.html

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