BSAとは?
・英国の歴史あるバイクブランド「BSA」。しかし、日本法人がある「トライアンフ(Triumph)」と比べると、日本における知名度は低いと思います。バイク乗りなら「知っている、聞いたことある」といった方は多いと思いますが。
・「BSA」はイギリスの大手産業コンビナートである「Birmingham Small Arms Company Limited」の頭文字をとって「BSA」。BSAの歴史は、1861年にイギリスのバーミンガムで銃器メーカーとして設立されたことから始まります。
・当時は、銃器の製造がメインでしたが、20世紀初頭には途中から自転車やオートバイの製造にも取り組むようになった歴史を持っています。
・その後、BSAは1940年代から1950年代にはレースや市販車で多くの成功を収めました。また、第二次世界大戦中に軍用車両の供給でも重要な役割を果たしました。
・戦後(1960年代後半~)、日本メーカーとの競争が激化し、経営難に陥りました。この辺りは欧州の二輪メーカーあるあるですね。1970年代、BSA(傘下にTriumphもいた)は倒産し、「Norton-Villiers」に吸収されました。
・BSAは一時Triumphを傘下におさめたりしてたくらいブイブイ言わせてた歴史ある大手メーカーですが、最終的には当時の大手ノートン&トライアンフ&BSAでブランドの生き残りをかけた連合となりました。
・つまりはこの3つのブランド(メーカー)は兄弟のようなものですね。現在のブランドのオーナーはそれぞれ分かれてしまいましたが。
*3ブランドの現在のオーナーをまとめると…
①ノートン(インド:TVSモーターがブランドを買収)
②トライアンフ(英国の実業家ジョン・ブルーアが復活された。Kawasakiの技術などを取り入れることで日本メーカーに対抗)
③BSA(後述していますが、インド:マヒンドラグループがブランドを買収)
・イギリスのバイクブランドはインドとの関係が強いブランドが多いですね。
・今世界で大人気の「ロイヤルエンフィールド」も元の発祥は英国ですし。ロイヤルエンフィールドの大本はインドの「アイシャー・モーターズ」です(ここでもインド)
・その他、英国2輪ブランドで有名な「AJS(A.J.S.)」は、小型排気量のバイクを販売しており、日本でも買えますよね。しかし、現在生き残っているAJSはバイク自体は自身で製造しておらず、中国企業から購入したバイクをカスタムして販売しているような状況のようです。
・今のAJSのバイクは、元は中国生産バイクといっても、今は一定の信頼性はあるので、見た目のカッコよさやAJSブランドの偉大さから、人気はあるようです。
・話は「BSA」に戻りまして、その後(2016年ごろ)インドのマヒンドラ・グループ(Mahindra Group)が「BSA」のブランド使用権利を約6億~7億で買収しました。マヒンドラはインドの王手自動車メーカーの1つですね。
・マヒンドラグループには他にも買収した2輪ブランドがあります。「PEUGEOT(プジョー)」です。
プジョーについては以下に少しまとめていますのでご興味があればどうぞ。
画像元:https://www.bsamotorcycles.in/
・もともと「プジョー:PEUGEOT」は二輪も自動車も作ってきたメーカーですが、バイクよりも自動車の方が歴史が古いです。バイクから始まったホンダの「反対」みたいな感じですね。
・現在のプジョーのバイクは、スクーターや小型2輪(125cc)メインですが。プジョーの自動車ブランドとは切り離されてしまいましたが、伝統的なフィロソフィー的なところは受け継がれていくと思います。
2024年モデル~ BSA GOLD STAR 650
・2021年ごろ、マヒンドラ傘下の「クラシック・レジェンズ(Classic Legends)」によって、BSAが再度オートバイ市場に(販売)復帰することが発表されました。
・そしてようやく日本近隣のアジア圏やEUなどで、2024年前後から発売されたのが、新生「BSA」として、クラシックなデザインを持つ「BSA Gold Star 650」です。
・イギリスのバーミンガムで開発された(製造はインド工場)この歴史あるネーミングを使ったバイク「Gold Star 650」のエンジンは、652ccの水冷単気筒エンジンです。ビッグシングル万歳。
*ホンダのGB系やヤマハのSR系のルーツにもなったビッグネーム「BSAゴールドスター」
*少しややこしいのが、インドには「BSAサイクル」という自転車を販売しているBSAブランドがあるのですが、これはBSAの二輪ブランドとはまた別のものになります。
・インド販売では、BSA GOLD STAR 650のお値段「299,000 インドルピー」となっています。2024年8月現在のレートで約52万円換算!
・おそらくライバルとなりうる英国メーカー(インド生産)のバイクから考えると・・・
・ロイヤルエンフィールド「INT650」
・インド生産なので、インドの価格では「303,000 インドルピー」と日本円換算で約52~53万!と安く感じます。
・ロイヤルエンフィールドジャパン(日本法人)では一番安価なスタンダートモデルで税込947,100円(2024年8月時点)
*goobikeの新車の乗り出し価格をみると、一番安いところで約80万円(在庫車)、ユーロ5対応の新車:約96万(乗り出しでほぼ定価くらい)(2024年8月時点)
・よって、同じインド生産、インドメーカーが買収の復興ブランド「BSA」の「GOLD STAR 650」が日本販売されるとなると、乗り出し100万弱くらいの価格帯になるのではないでしょうか。がちがちのバトル設定ですね(2024年8月時点)
➡と、半年前は上記のように予想していましたが…
・goobike情報(12台掲載)で、車両価格130万前後、乗り出しで「150万前後」でした(2025年3月時点)
・うーん美しい。しかし高い…。新開発の水冷ビッグシングル。このご時世。質感はかなり高そうなので、プレミアムバイク路線でしょうね。
・つまり、これまでのBSAの歴史を振り返ってもわかると思いますが、ライバルは「ロイヤルエンフィールド」というよりは「Triumph(トライアンフ)」ということでしょう。かつては傘下に収めていたTriumphブランド(ミドルクラスのT100)に、ちょい待てよとBSAさんがガチンコ勝負をしかけたわけですね。
・前回の予測から半年経った現在(2025年3月時点)、材料高騰、為替の影響なども半年前からは変わっていますし、どのバイクメーカーも値上げ傾向にあるにはあるのですが、個人的には予想よりはけっこう高い感じです。
・とてもほしかったのですが、150万あれば他の選択肢が一気に広がりますからね。悩むところです。ただめちゃめちゃ質感高そうなので、実物を見てみたいですね。
*ちなみに延長保証で3年は保証がきくようです。素晴らしい。
・日本では、WINGFOOT | ウイングフット株式会社 が輸入販売を管理しているようです。興味がある方はもう買っているのかな。
*国内ディーラーは9店舗とまだ少ない現状です(2025年3月現在)、同一エンジンで他のバイク開発したりしていってコストをもう少し下げてほしいところですね。
ライバル車は?
・ライバルとなるであろうバイクは、タイ生産のトライアンフのミドルクラシックモデル「Bonneville T100(ボンネビルT100)」
・日本では「¥1,335,000」、インド法人価格は「969,000インドルピー(日本円換算で160万越え!)」でした。
・水冷2気筒「トライアンフ」…ボンネビルT100 or スピードツイン900
・空冷二気筒「ロイヤルエンフィールド」…INT650 or コンティネンタル650 or ベア650あたり
・水冷ビッグシングルの「BSA」…ゴールドスター650
・英国(英国発祥)のクラシック系対決ですね! 個人的にはトライアンフが好きです。