2025年度版 無視できない中国バイクメーカーまとめ
・最近の中国バイクメーカーのニュースは、海外サイト系でもよく取り上げられるようなってますよね。
・いち日本人としては4大メーカーがある限り、全く気にならない存在ではありますが、最近は特にKTMやYAMAHAと合弁するメーカー、CB400SFそっくりだけどなかなかな品質で開発や製品を出してきているメーカー、世界的なレースにも進出して結果を出しているメーカー、欧州では販売台数がどんどん伸びている現状などなど、中国メーカーの躍進が目立つようになってきていることは事実かと思います。
・本記事では、その中国メーカーの中でも、個人的によく耳にするようになった・気になったメーカーを中心にまとめていきたいと思います。
・最初に申し上げますと、私個人としては現時点では中国ブランドのバイクを買うつもりはないです。他にほしいバイク、魅力的なバイクがありすぎますからね。
・ただ、今は中国ブランドの品質も上がっていますし、そもそも合弁で力をつけた中国企業は、自ブランドもどんどんグローバル展開して、しかもコストも低く、デザインも(パクリもありますが)かっこいいが多くなってますね。
・このあたりまとめている人がほとんどいないので、自分の勉強のためにまとめてみました。
・以前まとめたCFMOTOの「250SR-S」は普通に好みのデザインです。気になる方は以下からどうぞ。
・今の時代、中国との合弁企業のバイクが日本に入ってくるなんてこと一般的な状況ですし、CB500SFだって中国市場があったから、新開発・次世代モデルにつながった部分は少なからずあると思います。
・個人的には⋯⋯と前置きをおきますが、中国メーカー・ブランドというだけで、選択肢から外してしまうのも面白くはないかな⋯フェアじゃないかな——と思うようにはなってきました。
(実際、QJ Motorとベネリ/ハーレーやCFMOTOとKTMの協力関係みていると、もう生産国うんぬん言いすぎるのは極端すぎるかなと思っています)
・ただし、今回挙げる7つのメーカー(ブランド)以外にも、中国に大量のコピーバイク生産会社がある事実はありますので、実際に調べて、乗って、体験したうえでの批判はたくさんすべきだとは思います。デザインや品質等は特に。
中国メーカーの台頭
・近年の中国メーカーバイクの品質は、「安かろう悪かろう」といった時代ではなくなってきています。
・例えば、CFMOTOがMoto3世界選手権のタイトルを獲得して量産車のイメージや信頼性も一気に高めたこと
・QJMotorがBenelli・Keeway・MBPなど多様な欧州発ブランドを傘下に収めて世界の販売網を拡張していること
・デザインについては欧州へ協力・外注などかけて、かなりかっこいいバイクを世に出してきていること
・Piaggio×Zongshenのような合弁会社はもちろん、日本もSUZUKIやHONDAと中国企業の合弁、CFMOTOはKTMやYAMAHAとの合弁など、流通や技術協業も進み、開発スピードと商品企画のスピードはかつてない水準に達していると言えます。
中国「トップ5メーカー」 & 最近注目の「2メーカー」
・最近注目されている中国TOP5メーカーと、個人的に少し気になっていた「日本でも購入できる」2つのメーカーに焦点を当ててみます。計7つですね。
①CFMOTO レース由来の発信力と中排気量の商品力で、欧州・日本ともに注目を集めています。
②QJMotor Benelli/Keeway/MBPなどの国際ブランド群とともに、グローバルでのプレゼンスを加速度的に高めています。
③Haojue Grand River Groupで、Haojue-Suzukiなどの合弁があります。長年トップクラスの販売規模です。Haojue-SuzukiはGSX250Rなど日本でも主軸担っているスズキの車両を生産していますよね。
④VOGE Motorcycle Loncin(ロンシン)の「プレミアムブランド」として欧州を中心に拡販し、実直な改良で信頼を積み上げています。BMWとの協業でも知られています。
⑤Zongshen(Zonsen) 巨大グループとして多角展開し、CycloneやCinecoなどの派生ブランドを通じて幅広い領域をカバーしています。欧州組ではaprilia(piaggio)と合弁しています。
⑥KOVE 元オフロードライダーの張雪(Zhang Xue)が立ち上げました。個人的にはオフロード系のバイクのラインナップが多いイメージがあります。ダカールに参戦したり、オフロード車競技用出したりっていうイメージですね、。
⑦ZXMOTO 新興ながら、直3や直4(見た目CB400SF)など、良くも悪くも話題性が高いメーカーですね。先ほどのKOVEの創業者・張雪(Zhang Xue)が離脱して立ち上げた、かなり新しいメーカーです。最近注目されていますね。
① CFMOTO(シーエフモト)

・会社概要
・CFMOTOはATVや二輪で成長した総合メーカーです。
・KTMグループ(Pierer Mobility)との合弁・技術協力や欧州での流通協業を通じて製品力とブランド力を高めています。
・電動サブブランド「ZEEHO(ジーホ)」や軽量クラスの「CFライト」などの他ブランドも展開し、電動モビリティやオフロードなどでも先端領域に踏み込んでいます。
・レース活動関連
・2024年シーズンのMoto3ではCFMOTO Gaviota Aspar Teamがライダー/チーム/マニュファクチャラーのトリプルクラウンを達成し、量産車の価値認識を一段引き上げました。
・2025年はMoto2でも存在感を強めており、レースと市販車の好循環が続いています。
・グローバル展開について
・欧州ではPierer Mobilityのネットワークを活用した流通体制を構築した実績があり、日本でもショールーム主導でモデル導入が進んでいます。
・中排気量帯の価格・装備のバランスが良好で、手が出やすい価格設定とルックスの評判も良くなっています。
② QJ Motor(キュージェイ モーター)

・会社概要
・QJMotorの母体であるQianjiang Motorcycleは、Benelli(ベネリ)を2005年に傘下化し、レトロからアドベンチャーまで幅広い商品企画を行っているメーカーです。
・さらにKeewayやMBP(Morbidelli :イタリアブランド買収)など国際ブランドもグループに有し、製品ポートフォリオの拡張と欧州デザイン力の取り込みを進めています。
・日本でもかなり話題になりましたが、Harley-Davidsonとの小排気量プロジェクトでも協業実績があり、グローバル市場での連携力が際立っています。 X350やX500がまさにこれですね。
・レース活動関連
・中排気量のスーパースポーツSRK800RRを軸に、欧州のWorldSSP(スーパースポーツ世界選手権)での活動を拡大しています。
・モータースポーツを通じて製品の走りのイメージを訴求しつつ、量販帯の125〜400クラスまでを段階的に拡充しています。
・昨年度の途中でMotoGPでは問題を起こした(日本GP4Gでのゴンサレス選手のハチマキ騒動)ので、ぶっちゃけ嫌いな人は多いのではないかと思います。私もあのせいで一気に嫌いになりました。
・ああいう政治的なものを公平な世界スポーツに持ち込んでほしくないですね。
・グローバル展開について
・欧州では流通パートナーとの連携を強化し、フランスやベネルクスなど主要市場での取り扱いを拡大しています。
・2025年に日本法人が本格始動し、125〜400クラスのモデルを中心に正規販売網を整備しています。
・個人的にベネリ(イタリアから買収)というブランドのデザインコンセプト自体は好きです。
③ Haojue(ハオジェ)

・会社概要
・Haojue は大長江集団(Jiangmen Dachangjiang/DCJ)傘下の二輪ブランドで、中国広東省・江門市を基盤に生産体制を持ちます。
・スズキとの合弁「常州豪爵鈴木」を通じて、Haojue と SUZUKI の両ブランドを生産しています。
※新型のGSX500(R)はここが生産予定です(まだ出るかどうか未確定ですが) GSX500については以下でまとめています。
・レース活動関連
・2009年に125cc 世界選手権へ「Maxtra 125」で参戦し、欧州ロードレースでの技術検証を行いました。(開発体制の変更などを経て短期で活動終了)
・グローバル展開
・Haojue/SUZUKI 両ブランドは80以上の国・地域へ輸出され、アジア・アフリカ・中南米で広い販売網を築いています。
④ VOGE Motorcycle(ヴォージ)

・会社概要
・VOGEは中国大手Loncinのプレミアムブランドとして立ち上がり、欧州ではアドベンチャーのDS525X/DS900Xやネイキッド/スポーツを軸に拡販しています。
・LoncinはBMW Motorradとエンジン製造分野で長年協業実績があり、量産品質とコスト制御の両立で評価を獲得しています。
・BMWのC 400 X/C 400 GTは中国・重慶のLoncin工場で生産されています。・日本での大規模な正規展開は限定的ですが、欧州仕様の成熟度は年々高まっています。
・レース活動関連
・大規模ワークスでの世界選手権参戦はなさそう。調べた限りでは。
・英国ではABRフェスなどアドベンチャー系イベント出展や試乗会での露出が中心。
・グローバル展開
・欧州を主戦場にラインアップ(DS900X/DS800X Rally/DS525Xほか)を展開し、英国・ベネルクス・南欧などで正規ディーラー網があります。
・親会社LoncinはBMWと2005年から製造協業を継続しており、VOGEの品質イメージ形成にも寄与していますね。
⑤ Zongshen(Zonsen/ゾンシェン)

・会社概要
・Zonshenは中国でも有数の巨大モーターグループで、派生ブランドとして内燃二輪のCyclone(サイクロン)、電動のCineco(シネコ)を展開しています。
・2000年代初頭にはFIM世界耐久選手権(EWC)で年間タイトルを獲得した実績も残し、国際舞台での技術力を示しました。
・さらに、Piaggioグループとの合弁によりスクーター分野でも多角化を進めています。
・現状、日本での広域正規販売は限定的ですが、アジア・欧州・南米まで幅広い地域で売られています。
・レース活動関連
・EWC世界耐久:2002年にチーム・ゾンシェンが年間タイトルを獲得しています(当時GSX-R1000)。
・電動レース:2010年〜11年にTTXGP(電動ロードレース)へファクトリー参戦し、EV技術の開発・発信に活用しました。
・グローバル展開
・Piaggioとの合弁・協業で研究開発や三輪商用車などを中国で展開し、欧州系ノウハウを取り込んできました。
・量産・輸出規模の大きい総合グループとして、内燃「Cyclone」、電動「Cineco」などブランドを使い分けています(合弁・OEMも含む)。
⑥KOVE(コーブ)

・会社概要
・KOVE は2017年創業の中国・重慶発パフォーマンス志向ブランドで、創業者は元モトクロスライダーの張雪(Zhang Xue)です。
・中〜大排気量を中心に「走り」を前面に出した製品を展開しているとのこと。
・日本では正規インポーター(KOVE JAPAN)が展開しており、アドベンチャーとラリー、モトクロッサー系を中心に導入モデルがあります。
・レース活動関連
・2023年のダカール・ラリーでKOVE 450 Rally が初出場し3台完走を達成し、2024年はRALLY2クラスでベスト35位を記録しました。ラリーレイド各大会でも実績を重ねています。
・サーキットではWSSP300(WorldSSP300)に「321RR」で参戦事例があり、ロードレース面の露出も図っています。
・グローバル展開
・北米・欧州・アジアで販路を拡大し、日本では正規輸入で量産市販車を販売しています。
⑦ZXMOTO

・会社概要
・ZXMOTOは新興のスポーツ志向ブランドで、直列4気筒の500RRや直列3気筒の820RRなど、サーキット志向の話題作を次々と公開しています。
・先日の重慶ショーでも、CB500SFのライバル?として現地中国SNS系でも話題となっていました(個人的にはただのぱk)
・量産と販売網の整備は発展途上ですが、「中国からの次の一手」として注目に値するメーカーかと思います。
・現時点で日本への輸入はないでしょうが、他の中国メーカーのように好きな人が仕入れていく形でジャパン法人となっていく可能性はあります。
・レース活動関連
・現時点でワークスの世界選手権参戦リリースは確認が限定的です。公式ニュースは直4「500RR」生産・直3「820RR」発表などプロダクト中心です。
・グローバル展開
・ハイエンド志向の新興メーカーとして海外メディア露出が増加しています。500RR(直4)の量産到達や820RR(直3・150hp級の計画)などで話題を広げ、世界的な販路は段階的に拡大中です。
日本で買える中国メーカーバイク
CFMOTO(日本導入モデルの一例)

| 車名 | 区分 | エンジン概要 | 主要装備・特徴 | 税込価格 | 日本販売状況 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 675SR-R | スーパースポーツ | 675cc 直列3気筒/DOHC/水冷 | J.JUAN製ラジアルキャリパー、倒立フォーク、エアロ形状のカウルを採用しています。 | 約124万3,000円 | 予約受付中(正規ショールーム) | Moto3トリプルクラウン記念カラーの話題性が高いモデルです。 |
| 450MT | アドベンチャー | 449cc 並列2気筒/DOHC/水冷(31kW・42.1PS) | 21/18インチのチューブレススポーク、BOSCH ABS(リアOFF可)、KYB前後を装備しています。 | 99万9,900円 | 販売中(正規ショールーム) | シート高は820mm(リンク調整で800mm)で、車両重量は185kgです。 |
| 450CL-C | クルーザー | 449cc 並列2気筒/DOHC/水冷 | クラシック志向の装いにアシスト&スリッパーを採用しています。 | 96万8,000円 | 予約受付中(正規ショールーム) | ボバースタイルの「450CL-C BOBBER」(約104万9,400円)も展開しています。 |
| 250SR-S | フルカウルスポーツ | 249cc 単気筒/DOHC/水冷(21.5kW・29.2PS) | 倒立フォーク、ラジアルキャリパー、片持ち式スイングアームを装備しています。 | 67万4,300円(限定色は69万6,300円) | 販売中(正規ショールーム) | クラス随一の装備充実が魅力です。 |
| 250NK | ネイキッド | 249cc 単気筒/DOHC/水冷(20.5kW・27.8PS) | アシスト&スリッパー、TFTメーター、走行モードを装備しています。 | 61万3,000円 | 販売中(正規ショールーム) | 扱いやすい軽量パッケージと価格のバランスが良好です。 |
QJMotor(日本導入モデルの一例)

| 車名 | 区分 | エンジン概要 | 主要装備・特徴 | 税込価格 | 日本販売状況 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SRK125S | ネイキッド | 124.8cc 単気筒/SOHC4バルブ/水冷(約11kW) | 倒立フォーク、ABS、LED灯火類を装備しています。 | 46万8,000円 | 販売中(QJMotor JAPAN) | 原付二種クラスながら装備が充実しています。 |
| SRV250A(AMT) | クルーザー(オートマ) | 249cc V型2気筒/水冷(AMT+ベルト駆動) | ステップレス操作のAMTを採用し、AT限定免許で運転可能です。 | 69万8,000円 | 販売中(QJMotor JAPAN) | シート高は約700mmで足つきに配慮しています。 |
| SRV400VS | クルーザー | 約385cc V型2気筒/水冷(ベルト駆動) | SRVシリーズの上位で、快適性と質感を高めています。 | 77万8,000円 | 販売中(QJMotor JAPAN) | 入荷時期や在庫は販売店により異なります。確認してください。 |
KOVE(日本導入モデルの一例)
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| 車名 | 区分 | エンジン/排気量 | 主要スペック | 参考価格(税込) | 販売状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| 450 RALLY | ラリー/アドベンチャー | 単気筒 DOHC 水冷/約450cc | シート高 960mm(ロワード 910mm)/タンク計30L(前後合計)など | 138万円 | 販売中(正規) |
| 800X PRO | アドベンチャー | 並列2気筒 DOHC 水冷/約800cc | 最高出力 95PS/車重(セミドライ)183kg/シート高 875mm ほか | 157万8,000円 | 販売中(正規) |
| 800X RALLY | アドベンチャー(ラリー装備) | 並列2気筒 DOHC 水冷/約800cc | 最高出力 95PS/車重(セミドライ)176kg/シート高 895mm/前270mm・後250mmトラベル | 164万8,000円 | 販売中(正規) |
| MX250 | モトクロッサー(競技専用) | 単気筒 DOHC 水冷/249cc | 最高出力 40.8PS/車重 101kg(公称)/MFJ公認 | 76万8,000円 | 販売中(正規) |
※上記は日本販売を確認できた一例です。
※価格や仕様は変更される場合がありますので、最新情報は各正規サイトでご確認をお願いします。
※2025年10月25日時点の情報です。